たった今現在、いじめでつらい思いをしているであろう日本の若い仲間たちに、フィリピンからメッセージを送らせていただきます。
ちょっとだけ、みなさんより年上のしばやんお兄さん(おじさん?)も、小学校中学校、特に小学校の低学年のときは、どちらかというといじめられっこでした。小学校1年生からメガネをかけていて、運動音痴でドンくさくて、今でもソフトとかバスケットとか、バレーボールとか団体球技は全然できません。メガネのため(だけでもないのですが)いろいろからかわれたり、運動で力いっぱい活動できず、悔しい思いをしました。
ただ、自分の救いは、みんなよりちょっと勉強が好きだったこと。運動ができないというコンプレックスを勉強で取り返したのはいいんだけど、逆に小学校の上級生の頃には、先生もコ憎たらしく思うような典型的なガリ勉でいい子になってしまっていました。
中学校のころ、国語の担当をしていただいていた教頭先生が、たまたま授業で、「○○(しばやんのこと)、今日、クラスの誰それはどうしているんだ」と話を振られて答えられなかったことを思い出します。彼は実は休んでいたのですが、私はそれを知らなかったし、その理由も知ろうとしていなかったのです。つまり先生は、自分のことだけを考えるのではなく、クラスのみんなのことも考えないといけないよ。といわれたのだと今になって思います。
いじめっ子にも、いじめられっ子にも言いたいんだけど、必ずしもいじめられっ子が人の心のわかるいい人間になるとは限りません。その力関係は、本当に立場や評価の尺度が違うだけで、ころころ変わってしまうものなのです。例えば僕は、いじめられたうっぷんを勉強という面で、いじめっ子に仕返しをしていたようなところもあります。正直言って。例えば先生の質問に答えられなくて困っているいいじめっ子に対して、さらに困らせたりけなすような質問をしたりとか。本当に、いやなやつですよね^^?
ともあれ、いろいろ生きていくうちで、やっぱり、よいことも悪いことも、つらいことも悲しいときもたくさんたくさんあります。でも、ちょっとだけでも、あーやっぱり生きていてよかった。がんがってよかったと思える嬉しいときや、心から感動することも、ほんのたまたまかも知れませんがあります。きっとあなたも今まで一度以上は経験していることでしょう。
今は、つらいかもしれませんけど、あなたを待っている必要としている人たちが、この世界中に、60億人以上いること、日本だけでも12億人以上いることを、決して忘れてはいけません。例えば、あなたをいじめるいじめっ子が5人いるとすると、こういうことになります。
5/6,000,000,000人(世界の場合)、5/120,000,000人 (日本の場合)
とても簡単な分数だと思うのですが、この意味がわかりますか。5が10人でも、仮に100人でも’数字的にみれば’実はたいした違いではありません。具体的ないじめっ子の彼・彼女=人間が数字ではないことは十分わかっていますが例えとして読み進んでください。
少なくともあなたが心を開いている限り、5,999,999,995人はあなたの味方になってくれる可能性のある人たちです。(生まれたばかりの赤ちゃんやおじいちゃんおばあちゃんも入っていますが、友達に年齢は関係ないですよね^^?)
ところで中学校の頃から世界、海外にあこがれていたしばやんお兄さんは、大学でアラビア語とイスラームを学びました。イスラーム教徒は世界中で約19億人いるといわれています。つまり世界の3人に1人の隣人とお付き合いする鍵を手にいれたことになります。
そして今、開発援助の世界で働いています。お兄さんは、研究者でもなく、行政官でもなく普通の民間会社の開発コンサルタント、特に、農業や水資源開発、地域開発を専門とする会社で多くのエンジニアの方やコンサルタントの、いわば実務家の人たちの一員として働いています。
仕事の中で、中近東やアフリカ、最近は東南アジアの多くの国を訪問して、相手国政府の役人のひとや市井つまり町にすむひとや村に住む人たちと一緒に、彼らの開発の行く末、いわば彼らの夢を共に語り合ってきました。
ご存知のとおり、世界の5分の4の地域が、開発途上国とかいわれるいわゆる‘貧しい’国とされています。しかしながら、私が歩いてみてきたのは決して貧しいだけではない普通の友達=同じく地球に生をうけいろいろ悩み傷つき、辛い思いをしながらも家族を大切にし、どんなつらいときでも笑顔と歌と踊りを決して忘れない普通の人たちばかりでした。
特に、貧しい国では、ちいさな仲間たちは、小学校にもいけず、子守りをしたり大人と同じく力仕事をしたり、みながみな生きることに必死です。お兄さんは、紛争直後の国、たとえばエリトリアや東ティモールという国でも働きました。彼ら、内戦があった地域では、家族も離散、最悪では身内を目の前で殺されて、本当に生死のふちを彷徨ってきた人たちが本当にごまんといます。
実際に自分の生命が危険に毎日毎日さらされているあなたと同じくらいの年齢の仲間が、今日のこの時間に、何人、何万人いるのか、あなたは考えたことがありますか。
自殺ではなくて、実際に怖いお兄さん、みえない空から降ってくる爆弾や家の周りに周到に仕掛けられた地雷を、いつもいつもびくびくして、それでも毎日生きていかなくてはならない人が、現実に、何百人も何千人もいるのです。彼らは、今日を生き延びるので精いっぱいでとても自殺を考える余裕はないと思います。少しでもよい未来に、少しでも幸せがあるであろう未来を信じて、毎日、必死にがんばっているのです。
あなたの悩みや辛さが、彼らとくらべて劣っているとか価値がないという気は全くありません。でも、ちょっと立ち止まってください。あなたも、あなたをいじめるいじめっ子も、もっともっと考えたり勉強すべきことがあるのではないかということを。
世の中、難しいことばかりで、自分なんていてもいなくてもどうでもいいやと感じることがあるかもしれません。
でも、あなたの力を必要としているあなたを待っている仲間が世界には、60億人マイナス数人いるのです。少なくとも、わたしは、あなたといつの日か一緒に話したり仕事をできることを心から待ちわびています。
もし、しばやんの仕事や考えに興味をもたれましたら、ぜひ、わたしのホームページを訪れてください。一緒に、世界を考える、あなたの知らない世界への鍵を、‘ただ’で渡してあげましょう^^! ‘ただ’ほど高いものはないということわざも、老婆心ながら付け加えておきます。あくまで、批判的に、私の話を聞いてください。決して丸呑みしないように!
最後に、あなたの生まれたのは単なる偶然ではないことを付け加えておきます。あなたが今、地球に立っているのはお父さんお母さんが天文学的な数字で出会って愛し合って、本当に奇跡のようにあなたが生まれたのです。つまりあなたがこの世にいるには必然であったといえます。
世界には、日本でもそうですが、本当にたかだか70年や80年の寿命では味わいきれないほどの、あなたを心底から感動させるような素晴らしい事、素敵な事、美しいことなどが、たくさんたくさんあります。
せっかく、今生きているのだから、それを知らずに自分で自分を殺してしまうのは、後悔しきれないというか、本当にもったいないとは思いませんか。
今はとてもとてもつらいと思うけど、顔を上げて、一緒に歩いてみませんか。
しばやん@マニラ・フィリピン国 (36歳)