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2007年4月16日 (月)

日沖宗弘 『プロ並に撮る写真術II』

Cci00015 日沖宗弘 『プロ並に撮る写真術 II 心を揺さぶる写真をとるために』 勁草書房 1993

1.お薦め度: ★★★☆☆、 2.使える度: ◎ (凡例は下述)

3.ジャンル: 調査・方法論 (凡例は下述)

前回、『開発民俗学への途』で予告した100冊の本(ここでは101冊と仮にしておく)について、どういう形で発表するか考えてみた。一気に101冊を選んで概説をつけることは逆にやさしいことだが、この手のリストは、今までにもいろいろ試みている。したがって、ひとつひとつ解説を多くして小出しにすることにした。

まず一冊目、何にしようかと迷った。一言でいうと「不思議な本」である。写真術の名のとおりの本でありながら、単なる‘カメラ’や写真‘技術’の本ではない。内容は、クラシック・カメラやレンズの案内、作例紹介、写真をめぐる日沖氏の精神論というか宇宙論というか人生論というか、非常に‘哲学’的な内容で、カメラや写真に関心を持つ人はぜひ手にとってほしい。

日沖氏、いわく、「小さく軽くて丈夫でよく写り、応用がきいて愛着がわく」カメラを追い求めていくと、「一部のクラシックカメラ(1930~60年代)」に行き着いたということで、特に仏像や日本画の研究者として美術写真のプロとして、古今のレンズ・カメラを彷徨した記録でもある。

私が写真に関心をもって自分でカメラを買ったのは、実は非常に遅く、大学を卒業してからのことであった。それまでは、「写るんです」をまじめ?に使っていた。さすがに、卒業旅行でタイなど東南アジアに海外旅行に行くので、ようやくしぶしぶ購入したというのが正しい。まず最初のカメラは、オリンパスのμパノラマ、最初期型の黒のボディーのもので、35mmの単眼レンズのものだった。たまたまデザインがよかったのと、小型軽量でスライドスイッチひとつでパノラマが写ることと、レンズカバーがスイッチになっていて余計なボタンがなくシンプルであったことが選んだ理由だったと思う。

しかしまた、このカメラは非常によく写った。レンズは、f3.5とすこし暗いのだが、写真の絵が非常にビビッドなのである。また軽量でコンパクトなので世界中に持ち歩いたが、非常にタフであった。エジプトの北東シナイの調査で、沙漠で写真を撮ったときもほかの人のカメラが砂を噛んで故障したときも、私のカメラだけは、全く故障知らずであった。

結局10年近く使ったが、最後に、ヨット部のファミリーデーで海に行ったときに、ハーバーのスロープでヨットを引き上げるのを手伝った際に、うっかりズボンのポケットに入れたままで塩水の洗礼を受けて一発でお釈迦となった。

そのときに思ったのが、電池がなくても写るカメラがほしいという気になってクラシックカメラに関心をもって、ライカを買おうということになったのだが、その失敗や、その後のことについては、またあらためて述べることとする。

とにかく今はデジタルカメラや、カメラ付き携帯電話が全盛の世の中であるが、研究や仕事でよい写真を撮ってみたいと思う人は、ぜひ一読することをお薦めする。

ローライ・コードなど2眼カメラから、ライカ、コダックレチナ、コンタックス(カール・ツァイス)ヴィテッサ、ローライ35など往年のクラシックカメラ(レンジファインダーのみならず1眼レフのコンポについても詳しい)の購入ガイドと読むこともできるが、氏の‘本物をみる目’というものを垣間みるのは非常に興味深いと思う。

主な目次: 「今、なぜ写真なのか」、「初心者の皆さんへ」、「取材・撮影旅行の実際」、「取材を前提としたカメラシステムの選び方」、「名レンズを味わうシステム」、「新型カメラ・クラシックカメラの使いこなし」 など精神論から実践論まで。

ちなみに、同シリーズとして、正篇「ひとりで仕事をする研究者・ライターのために」からIVまであるが、正篇、II、IIIを読んだ経験からは、このIIが一番、内容がまとまっていると思われる。とにかく不思議な本である。

なお、氏はオーディオや車おたく?でもあります。

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