歩く仲間20周年を想う。 <その3> 「STARTING OVER」
さて、私の残り半生の課題について、話を戻す。29歳の時の課題をそのまま引用しようとして、ふと気がついた。この項のサブタイトルの「GET BACK」とは当然、お気づきの方はわかると思うが、THE BEATLESの「GET BACK」(アルバム『LET IT BE』)のことを、「CARRY THAT WEIGHT」とは、同じくTHE BEATLESの『ABBEY ROAD』の「THE END」の前の佳曲、「STARTING OVER」とは、ジョンレノンの最後のシングル曲である。「(Just Like) Starting Over」(ジョンレノンの死後に発表された『DOBBLE FANTASY』にも収録。)
ところで、この言葉(STARTING OVER)を私は、高校3年生(1988年)の時の寄せ書きに引用したいわくつきの曲でもある。
(ビートルズへの想いは、こちらの記事も参照ください。http://arukunakama.cocolog-nifty.com/life_i_love_you/2009/09/the-beatles-mag.html )
そのジョンレノンは1980年12月8日に凶弾に倒れるのであるが、そのとき、くしくも40歳であった。なぜ、私がこの言葉をこの場で選んだのかはわからないが、ともかく「死ぬまで生き」続けないものとして、下記を公表します。
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1998年5月2日 作成、2004年6月24日タイプ、2006年4月22日 修正
柴田スクール開催について
A. 仮称: (※再検討の必要あり 2010年1月24日)
開発と人間博物館 (和文)、Development and Human Museum (英文)
B. 目標(理念):
地球市民の一員として、諸先輩の肩をかりつつ21世紀を生きるのにふさわしい理念を作るために下記の点に留意しつつ日々研鑚を重ねていく。
1. よりよい社会を創造するのにあたる有意の人材を育て、かつ共に学び教えあいながら個々人の資質を高め、世界平和のための社会的活動を行なう。
2. “フィールドワーク”をベースに、学問の枠を越えた実学の伝達をめざす。(社会に対して開いた存在をめざす。)
3. 地域研究と開発学の橋渡しを図る。近代資本主義と国民国家主義を超えた21世紀のパラダイムを創出する。
4. 寛容(トレランス)を理念とし、すべての者にとって個々人を否定されない聖域(サンクチュアリ)たる道場を発現させる。
5. 全ての人に開かれた知の世界を現出させるための方策を講じる。(研究成果の公開)
C. 成果(アウトプット):
社会人としての活動は企業の理念に沿ったものとするが、個人的に以下の社会的な啓蒙活動を行なう。
<開発民俗学叢書>
ホームページを利用した双方向の情報発信をベースに、適宜、学界や学会誌への発表も検討する。なお、これらの発信は将来的に単書としてまとめることを念頭におく。
第1期: 2010年までに完成 (※見直し必要 2010年1月24日)
修士論文の執筆と平行して、基礎資料の収集と学問の方法論を比較検討する。
1. 開発民俗学への途(インストラクション)
2. 開発民俗学研究入門(押さえておくべき理論の整理)
3. オリエンタリズムと近代化理論の克服をめざして(20世紀のパラダイム=国民国家主義の相対化を図る)
4. 現場学への招待(現地調査の心得、調査手法、開発倫理、開発コミュニケーション)
5. 住民組織論(地縁、血縁組織と近代的組織の相克をどう考えるか=人間開発理論、エンパワーメント理論と参加型開発理論の再考、フィリピンの住民組織を元に考察する。)
第2期: 2020年までに完成
博士論文の執筆と平行して理論的な研究を進める。
6. 地域研究と開発民俗学
7. マージナルとトランスボーダー(辺境地(山間地)と水をつなぐ世界(海)を考察する。)
8. 実践と理論のあいだ(実務者と教育者として)
9. 開発倫理学
10. 終わりなき挑戦(歩いてきた道とこれからの課題)
<共同研究>
本スクールの主旨に賛同していただける個人・団体に対して共同研究を働きかける。その成果については、社会に還元することを第一の目標として、助成基金の併用を妨げるものではない。しかし、その助成基金の理念が本スクールと相反しないことを前提とする。
<大学生・大学院生に対するサポート>
ボランティア活動の一環として、高校生、大学生、大学院生のフィールド研修や進路相談のサポートを行なう。これは、本スクールの理念を押し付けるものではなく、前途洋洋たる若者の考えるヒントの一つとしてのアドヴァイスを行なう。
D. 対象とする学問分野:
人間社会における全ての分野(側面)を対象とするが、学問のための学問、方法のための方法論、手段のための手段は極力さけることとする。アウトプットとして現実社会に働きかける方向性を持たない(回避した)ものについては、再検討する。
<専門分野>
(学問として)
・ 開発民俗学(開発宗教論を含む)
・ 地域開発学(地域研究法を含む)
・ 開発社会学(歴史・地理を含む)
・ 現代社会学(20世紀のパラダイムを学ぶ、経済学、社会学、政治学、法律学、経営学)
・ 社会福祉論(セイフティネットのあり方の検討を通じて)
・ 人的開発論(エンパワーメント)
・ 経済地理学(イスラーム地理学・社会史研究を含む)
・ 農村社会学
(実務者として)
・ 契約法学全般
・ 開発行政
・ 事業評価
・ 社会・自然環境評価
・ プロジェクト管理
E. 研究方法
開発を考えるための社会科学研究のあり方
(1) 目的
1. 現代、現実を考えるための理論武装
2. 手段(道具)としてのディスプリン
3. 学問のための学問とならない
4. 実践のための理論、ただし修正されるべきものとしての道具を考える
5. 趣味ではなく、ライフワークの一環
(2) 主要テーマ
1. 貧困、平和、寛容にまつわる諸問題
2. 民主主義、人権に対する掘り下げ
3. ラベリング(~主義など)への懐疑
4. 開発、発展、勝ちといった上昇志向との決別
5. 差別、区別に対するニュートラルな考え方の樹立
(3) アプローチ
1. 民俗学研究の手法、志を現在に展開する。(一国民俗学から世界民俗学へ)
2. 開発をめぐる社会科学の研究
3. 現代を生きる知恵との邂逅
4. イスラーム地理書・歴史書の研究
(4) 手段
1. フィールドワークの身体感覚の重視。
2. 現場の問題意識から既存の仮説の検証を行なう。仮説ありきの検証ではない。
3. 文献による学習-文献リスト、キーワード、キーパーソンのリスト化
4. ライブな知恵の定着化-メモの一元保存
5. 特定のテーマごとのアウトプット-1年に2テーマほど、少なくとも一つのメーマについては論文にまとめる。
6. スキルとしての資格取得-技術を客観的に示すものとして、公的な資格を順次取得する。
(5) 目標
1. 開発民俗学の提唱(開発民俗学のテーマで博士論文を英語で書く。)
2. 開発人類学もしくは開発社会学-MA
3. 技術士(地域開発)
4. プロジェクトマネージメント専門家 (PM2資格の取得)
5. 語学(スキルとしての資格)
・ 英語-英検1級、TOEIC860点、TOFEL600点
・ アラビア語-古典語能力・上級、現代語 読む上級、書く中級、口語 中級
(文語の習熟と口語への慣れ)
研究にあたっての留意点
1. フィールド調査の重視
2. 既存の理論についての批判的な検討
3. 足もとを掘り下げること(自然社会環境(歴史、地理)に対する理解を深める)
・ 基本書の理解と、その検証のための補足的な読書
・ 古典に直接取り組むこと
・ 概説、研究成果については、横目でみること
・ 周辺的な雑事(リストづくり等)に、あまり直接的な時間を割かない
・ いかに捨てるか
F. 開始時期:
満50歳前に博士号取得を目指すこととし、実務者としての義務を果たしつつ研究者・教育者としての道を模索する。
ただし、その研究自体は逐次、並行的に進める。他人の批判や恥をかくことを恐れない。
G. 前提条件:
個人的資質:
BA 文学士(大阪外国語大学外国語学部卒業)
MA Master of Development Anthology, Development Sociology
(40歳を目処に取得する。)
PhD Doctor of Development Studies (Anthology/Sociology)
(50歳を目処に取得する。)
社会的資質:
よりよい環境であること。
会社(職場)
家庭
学校(どのような形であるか全く検討もつかぬが)ヴァーチュアルなものであってもよい。
H. 学会活動
日本イスラーム学会 『AJAMES』 1991~
国際開発学会 『国際開発研究』 2003~
経済社会学会
環境社会学会 『環境社会学研究』
国際経済学会
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当然、時期的なもの、内容についての見直しは必要であるが、「歩く仲間」のマニュフェストとして、ここに提示します。
<この項、了>