複合生業論の開発現場への適応可能性について<理論各論>
ところで、今年の年始の挨拶は、Life I Love You!のほうで触れましたので、よろしかったらこちらもご覧ください。
2010年 新年のご挨拶 しばやん@愛知
http://arukunakama.cocolog-nifty.com/life_i_love_you/2010/01/2010.html
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さて、まじめな話題ばかりで面白みがないかもしれませんが、ちょっとだけ、さわりを^^?
私の個人研究の今年の課題として、生業(なりわい)論と地域開発、特に村落開発(農林魚村)への適応可能性についての研究をあげたいと思います。
これは、自分が関わったたとえば東ティモールの農林水産業開発調査(JICAマスタープラン)や、フィリピンで調べたPOs(Peoples Organizations)住民組織の現地調査や、ミンダナオ島の開発を考えた(案件形成)の中で浮かび上がってきた問題意識です。
つまり農業(平地米作が多い)開発、林業開発の現場をみて何らかの介入(開発計画の立案)を考えるときに、果たして住民の現実の実際の生業は、営農だけなのか林業だけなのかというブループリント型の開発計画では、そもそも問題設定が間違っているのではないか。
‘参加型開発’と称していくら住民を集めてワークショップをやってもファシリテートをする我々(先進国の専門家)自体が、住民は一つの生計手段しかもっていないであろうという思い込み(稲作農民や畑作狩猟民、漁民)を持っている限り、彼ら住民のリアリティや生きるための生存手段、すなわち生業への思いや気持ちを汲むことができずに、彼らにとって最も生存率が脅かされる生計の単一化への道(事業計画)を示してしまっていないのか?というのがそもそもの問題意識です。
このトビでは、日本を舞台に最新の生業議論を元に、我々フィールドワーカーとしての五感を鍛えるための理論と事例研究の場としたいと思います。
参考文献:
国立歴史民俗博物館編 『歴博フォーラム 生業から見る日本史 新しい歴史学の射程』 吉川弘文館 2008
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