国際協力や開発援助関係者が東日本大震災でできること<その1>
初出: JICAコミュニティ&開発民俗学コミュ @mixi
元(国際)開発コンサルタント会社勤務のしばやん@開発民俗学です。
いままで私もずっと海外の開発援助の現場で働いてきましたが、正直、今回の東日本大震災を見ると、実は海外も国内もないなということを切々と感じています。
実際に、開発民俗学コミュや開発コンサルタントの仲間で現地入りしている人が数名いることも知っています。
このトビでは、そのような実体験や、国際協力や開発援助に関心のあるかたならではの智恵を出しあって現地で働く外部者(政府関係者、自衛隊、ボランティアなど地元民以外全て)や被災地の人たちを励ましてみませんか。
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自分のコミュ(開発民俗学-地域共生の技法-)の仲間が被災地でプロジェクトをやるみたいで、ワークショップについてのつぶやきがあったことに触発されて、こんな文章を書いてみました。
◆ 被災地におけるワークショップのあり方について<東北大震災がらみ>
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=64187697&comm_id=2498370
自分自身、全然被災地には足を踏み入れていませんが、開発途上国での現地調査の経験からこんな調査デザインをしてみました。
以下、引用です。
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仲間のつぶやき(2011年8月5日):
「地元学などの資源マップやワークショップ時のマインドマップについてのコツやポイントを知ってたら、教えてください。来週末の被災地域におけるワークショップに活かしたいと思います。」
これを受けて:
実はここら辺についても、開発民俗学への途(第2部)で、そのうち?に取り扱う予定だったのですが、そもそも論というか導入編で手間取ってしまったので、ここに別のトビとして扱います。
ポイントのみを列記します。
1.事前準備で確認しておくこと。
・現地でどれだけ時間が割けるのか。
・どのようなステークホルダーを集めることができるのか。
・ワークショップの場所はどこで?
・どのような道具を使うことができるのか。
・対象地域の範囲は?
・カウンターパート(現地での受け入れ先)の立場と人数
2.モデルケース
今回、あまり現地に対して、調査者・ファシリテーターなどいずれにせよ‘外部者’が土地勘や人脈がない場合を想定します。
現地調査期間を2日間とした場合のワークショップの組み方です。
<1日目>
午前中:
・カウンターパートとの打合せ
事務所で1時間: 地図を元に調査地の概要とワークショップの目的などを確認する。
・現地踏査
(このケーススタディでは、対象が市で、町村が市街地を中心に5地区とする)
カウンターパートとともに5地区すべてを外部者自身が見て回る。今回の現状に即して言えば、被害状況よりむしろ現場で、どのようなアクターがいてどのような力関係で作業しているかに注目すること。
※被災地には、多くの外部者(自衛隊、ボランティアなど)が入り込んでいる。誰が実際の現地の住民なのか、現地の住民がいたら、彼らに自衛隊やボランティアなど外部者の活動についてのコメントをもらうようにしたい。
現場での活動の内容と、外部者の言動が、押し付けで高圧的なものになっていないかに気をつける。
・ 地区ごとのワークショップ(ワークショップA)
事前にカウンターパートに5地区全ての地元有力者(町内会長など)に地区毎の踏査~ワークショップがあることを通知しておいてもらう。できれば、地元の有力者ら数名には現地踏査にも同行してもらう。
この地区ごとのワークショップへの参加者は、原則的には、地元有力者に人選してもらうが、下記のようなステークホルダーが含まれることが望ましい。
地元民: 地元有力者グループ(町内会長、議員、郵便局長、警察)
商業従事者(小売のみならず卸売、流通業者も含むこと)
農業、漁業従事者
シニア(リタイア組み)
近所のおばちゃん
若い専業主婦(幼児づれ)
若者(高校生、大学生など)
子供(中学生、小学生など)
外部者: 市町村の役職
NGO団体(※)
自衛隊(※)
※実際に、現地で活動している人が望ましいが、広域活動NGOや自衛隊の一つ上のグループ長がいてもよい。
ファシリテーター: 調査者およびカウンターパート
とりあえずここまで。
ちょっと規模が大きくなりすぎましたので、後で見直します。
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