ワークショップ時に気をつけること 国際協力や開発援助関係者が東日本大震災でできること<その5 完結>
(その4の続きです。)
<ワークショップ時に気をつけること>
・相手を待たせない、予定時間を絶対にオーバーさせない、できれば予定より早く切り上げることを考えます。
・ワークショップの時間は、約90分を目安に計画を立て、実際に作業を進めます。延長しても最大2時間が限度でしょう。そして、参加者に疲れが見えたら、潔くワークの途中でも切り上げる勇気が必要です。聞き取れなかった点、現地の人が言い足りなかった点については、きっと後で個別に話しにきたりとか補う方法がいくらでもあります。
・参加者に、かならず‘満足感’というお土産を持たせること。これは物理的なモノではなく、「参加してよかった」という‘感動’と‘気づき’です。ワークショップで作成した資源マップやスケジュール表の模造紙は、調査の取りまとめのために一時借りることはあっても最終的にはグループに返却するようにしてください。
このような協同して作った‘モノ’は、参加したことの思い出であると共に、後で振り返ったときに、そのワークショップでの‘気づき’を忘れないためにも必要なものとなります。
いずれにせよ、基本は、あまり外部者がでしゃばらないこと、ワークショップの際も、裏方に回ってグループワークの作業自体を現場のリーダー格となる人たちにやってもらってください。それは彼らの経験にもなりますし、外部者にとっては、全く別の観点からの意味があります。自分がでしゃばらないことによって、外部者には、作業を外から見て必要に応じてグループワークに参加したり、個別インタヴューをしたりする余裕と時間が生まれます。実際、私はこのやり方で、かなり効率的に情報収集をすることができました。
あと、あまり過度の期待は持たないことですね。これは自分自身にも、相手にとっても期待値が大きすぎるとがっかり感が大きくなりますので、あまり身構えたりがんばる感を出さずに、さりげなくなにげにワークショップを運営しましょう。
とにかく参加者がグループワークを通じて、彼ら自身の力を感じて、グループダイナミクスが彼ら自身の言動の中から生まれてくるようにすること。
外部者がでしゃばって、ハッパをかける問題ではありません。一番、切実なのはなによりも彼ら自身なのですから。
あと調査結果の現地へのフィードバックを忘れないこと。報告書、写真などできるだけ、早く現地の人に手渡すようにしましょう。
ということで、とりあえず気のついた点をまとめてみました。
まあ、いろいろ漏れがあるとは思いますが、現場をみて適当?にアレンジして使ってみてください。
ではでは^^?
この項 了
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