【歩く仲間通信20210312】「しぼる・あつめる・手ばなす」と「うそ百ぺん」
みなさん、こんにちは。
しばやんこと柴田英知です。不定期発行の「歩く仲間通信」です。
初めてご覧になる方もいらっしゃるかと思いますが、わたくしの近況報告と、みなさんの研究や実践活動などに、ほんの少しでもお役にたてたらと考えて発信をしております。
今回は、歩きながら考える(エッセイ)とセミナーのご案内です。
1.歩きながら考える(エッセイ)
【「しぼる・あつめる・手ばなす」と「うそ百ぺん」】
この数か月、ずっと気になっていたこれらの言葉をとりあげます。
1月頃にある企業コンサルタントの方のセミナーを受けました。もともとは運送会社の経営コンサルタントから始められたそうですが、次にニッチな分野でのコンサルタントの育成を事業にしているそうです。
今は、家を引き払って海外に住みながら仕組み(オンデマンド)と、たまに日本に帰ってきて起業家の支援プログラムをやっているそうで、わたしはアマゾンのKindleによるブランディングのセミナーの説明会に参加しました。
その講師の方が開口一番にお話しされたのが、「しぼる・あつめる・手ばなす」という言葉です。
いわゆる「選択と集中」という言葉は、わたしが開発コンサルタント会社で働いていたころから流行っていたので、かれこれ15年も20年も前からいわれていたのだと思います。
しかし、「手ばなす」というのが新鮮でした。彼女は、いまタイを拠点にキャリーバッグに服だけつめてホテル暮らしをしているそうです。
結局、お金も稼いだことだし、自分が今までに得てきたものを社会に返していくことにしたそうです。つまり、日本の家も手放し、自分が稼いできたノウハウなども「手ばなす」ことをしているそうです。
結果的に、彼女が得ていた知識や経験を手ばなすことによって十分にお金が稼げる循環ができているということですね。
自分自身、ついつい余計なものまで抱え込んでしまうほうなので「あつめる」ことだけでサイクルが終わってしまっていました。端的にいえば、わたしが学生時代からいままで集めていた本はどうなってしまうのでしょう。
自分では必要だと思って入手してきた本は、おそらく一度も開かれることなく本棚の中に眠ったままで、その本としての寿命を終えてしまうことでしょう。
わたしの父親も蔵書家なのですが、専門書ほど処分に困るものはありません。専門書は高価で入手もそれなりに大変なのですが、実は、他人にとっては、ほぼまったくといっていいほどその価値がわかりません。
この「手ばなす」という考え方を手に入れたことは、とてもありがたいことでした。ただし、「しぼる」から「あつめる」という流れに、しっくりといかないところを感じました。
「選択と集中」というとなんとなくわかったような気になるのですが、「しぼってあつめて」というと、より生々しいというか、ちょっと違うニュアンスに聞こえませんか。
わたしが引っかかるのはこの点です。つまり、ある程度、「あつめ」ないと「しぼる」ことができないのではないか。おそらくそのしぼるための判断尺度ができる分水嶺が100という数字ではなかろうか。
「うそ百ぺん」という言葉があります。うそも百回繰り返せば本当になるという、うそだか本当だかよくわからないことわざだか言い伝えです。わたしは、この言葉をこれまでずっと大切なことだと思ってきました。
出来ないことでも、出来る出来ると自分に言い聞かせていると本当に出来るような気がしませんか。そんな軽い気持ちで、この言葉を使ってきたのですが、結局、ポイントは、「百」という数そのものにあるのではないかと、最近、思うことがありました。
昨年の4月から国際協力などグローバルキャリアに興味をもつ大学生や大学院生の個別面談をしてきました。いくつかのチャンネルで展開しているのですが、その累計が、そろそろ100名になるのです。
そういえば、名古屋で空き家活用で飲食店をひらいた仲間も、近隣の飲食店のマーケットリサーチに100軒以上を食べ歩きしたそうです。マニラでオーガニックレストランを開店した仲間も100という数字を言っていた気がします。
つまり、ある程度、しらみつぶしにやろうとする目途が、100なのではないか。百本ノックとはいうけど、30本とか50本ノックとはいいません。お百度参りとはいいますが、それ以外の数字はありません。
結局、わたし的に、これらの言葉を指針とするのであれば、「百あつめて、しぼって、てばなす」ということでいきたいと思います。
なにをしぼっていいのかがわかるためには、最低100本ノックをやってみるということですね。
「てばなす」ことを見すえて「あつめる」ことは、いままでの自分の人生になかったことなので、とてもいいことを知ることができてよかったと思います。
「しぼる」ための尺度を身につけることができれば、最初にあつめた「百」そのもの自体も「手ばなし」て構わない。結局、ゴールをどこに持ってくるのかによってやることと結果が変わってくる。
いままでわたしは「あつめる」の先を考えてこなかったため、「あつめる」こと自体が目的やゴールになってしまっていた。しかし、「あつめた」もので何をするかが大事で、その先の何かのために「あつめる」のである。
ひとつの究極が「手ばなす」ですが、わたしも、これから何をゴールにもってくるのか、仕事にせよプライベートにせよ、より意識してやっていこうと思いました。
(この項 了)
2.セミナーのご案内
【オンライン】共創ワークショップの可能性とこれからをかんがえる【共創ワークショップ・2021年3月定例会】
https://kyousouws20210325.peatix.com/
日時:2021年3月25日(木)20:00 ? 21:30(19:50 ログイン)
※22:00まで雑談タイム
国際共創塾では、仲間と一緒に「共創ワークショップ」という勉強会を、原則、毎月最後の木曜日にオンライン(ズーム)で開催しております。
昨年6月から8回を重ねる中で、歩く学問、フィールドワーク、ワークショップ、ナラティブ・アプローチなど、いくつかのキーワードらしきものが浮かび上がってきました。
この勉強会は、高校生からシニアまで、アカデミズムというよりむしろ、実践活動や日常のきづきに興味や関心をもつ仲間があつまっている気楽だけど、ちょっとだけ知的なおしゃべりが楽しめるラウンジ的なものを目指しています。
2020年度の活動をふりかえりつつ、4月からの新年度の活動方針についても、話し合いたいと思っています。リピーターの方も、初めての方も、ぜひお気軽にご参加ください。
【編集後記】
2021年初めの通信が3月になってしまいましたが、わたしも元気にがんばっております。本当に、月日の経つのは早いですね。
年明けの大きなトピックとして、2月6日にオンラインで開催された中部ESD拠点のSDGsフォーラム2021で、愛知用水と愛知海道についての研究発表をさせていただきました。
■愛知用水と愛知海道の開発思想-愛知用水通水60周年に寄せて-
https://note.com/arukunakama/n/n180e219ebd2b
■愛知用水と愛知海道の開発思想-愛知用水通水60周年に寄せて-
スライド集
https://note.com/arukunakama/n/n874fdbda3d4b?
今年の9月30日が愛知用水の通水60周年にあたるため、それをめがけて盛り上げていきたいところです。
今年もまた引き続き、国際共創塾の活動にご理解とご支援をたまわりますよう、よろしくお願いいたします。
国際共創塾 塾長 柴田英知
■歩く仲間通信のバックナンバーはこちら
http://www.arukunakama.net/blog/cat24267666/index.html
――――――――――――――――――――――――――
柴田 英知
国際共創塾 塾長/歩く仲間 代表
名古屋・栄サテライトオフィス
〒450-0002 愛知県名古屋市中区丸の内3-17-24
NAYUTA BLD
https://nayuta-bld.com/
修士(人間文化):名古屋市立大学大学院
JICA登録コンサルタント(社会開発)
■歩く仲間代表 E-mail
E-mail: info@arukunakama.com
■柴田 英知 フェイスブックページ
https://www.facebook.com/shibayan21
■国際共創塾FBグループ
https://www.facebook.com/groups/ArukuNakamaNet/
■note 歌って踊れる共創コンサルタント しばやん/柴田英知
(SHIBATA Eichi)
https://note.com/arukunakama
■ブログ版 歩く仲間
http://www.arukunakama.net/blog/
■開発民俗学への途…共有編
http://arukunakama.cocolog-nifty.com/kaihatsu_study/
-----------------------