アルバムを楽しむ(その3)遊佐未森
最後のパターンは、音だけの劇場世界を狙ったもの。その代表的なものとして、遊佐未森を取り上げてみます。
遊佐未森 『空耳の丘』 EPIC SONY 32・8H-5079 1989(初盤限定版は1988)
1.お薦め度:★★★★☆、 2.泣ける度:★★★★☆
3.アルバムとしての完成度:★★★★★
どうも古いアルバムばかりで申し訳ありませんが、この遊佐未森のようなアプローチは、実はあまり見たことも聴いたこともありません。
一言でいうと、イメージ写真と唄(曲)と童話?が一体となったアルバム。まさにアルバムでしか表現できない世界なのです。これは、まさにプロジューサーの企画の勝利というか、福岡知彦&外間隆史プロジュースなのですが、どうも外間さんというのかくせもの?らしい。ブックレットの構成が、遊佐未森が主人公のイメージ写真集、外間さんの童話というか小説、ポエム?、そして歌詞カード、そしてまたイメージ写真集。つまりロックオペラというか完全なイメージアルバムなんです。
その1で紹介した槇原ともその2のビートルズとも違った意味で、もうこの順番でしか構成が考えられないというアルバムです。確か、「地図をください」とかシングルでも売れた曲もあったけど、やはりアルバム全体であじわってくださいという感じですね。
遊佐未森が、この同じプロジューサーと組んだアルバムが何枚かあると思うのですが、私は、このアルバムが一番、完成度が高いと思います。今でも彼女はアルバムを出していますが、あの頃はよかったと思ってしまうのは何故^^?
これもCDならではの構成で、LPではA面、B面という制約上できなかったチャレンジで、ぜひこの手のアルバムは、これからもでてきてほしいなと思う、今日この頃です。
曲目: I 空耳の丘 II 窓を開けた時 III 風の吹く丘 IV 旅人 V 星屑の停留所(プラッツ) VI 川 VII 地図をください VIII 日曜日 IX ひまわり[Napraforgo] X 夢のひと XI Run in the Rain XII 空耳の丘(Reprise)
なんか、曲名をみるだけでドラマを感じてしまうでしょ。こんなところが、私がアルバムを楽しもうというゆえんです。
ではでは^^?
<バックステージ>
その1では、CD時代のアルバムについて、2ではLP時代の大御所のアルバム、3では、映画でも小説でもない音楽だけのドラマ、劇のない歌劇?みたいなアルバムもありますよということを紹介しました。またアーティストの全体性をみるのもおもしろいと思います。J POPでもよく売れているグループは、シングル曲だけで勝負しているのではなくて、CDはCDで、ジャケットから曲順、構成まで非常に気をつかった作品づくりをしているものです。
今後、CDを紹介する際には、アルバム全体としての完成度についても言及したいと思います。
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