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2008年1月23日 (水)

コブクロ 『5296』

昨年(2007年)末、日本に一時帰国していました。日本での楽しみのひとつは本屋とCD屋をまわることです。

今年初めのレビューは、コブクロの新しいアルバム。『5296』

お薦め度: ★★★★☆、泣ける度: ★★★★☆、アルバムとしての完成度: ★★★★☆、

やっぱり購入のきっかけは、2007年のレコード大賞をとった「蕾」が収録されていることでしょうか。以前、マニラでテレビで「Musicステーション?」でたまたまコブクロの「蕾」ともう一曲(アルバム未収録曲のラブソング?)を聴いて、そのとき以来、なんとなくコブクロという存在が気になっていました。

今年はたまたま日本で、年末の日本音楽大賞と紅白歌合戦を観たのですが、やはり今年の新曲で一曲を選ぶというと「蕾」が心に残りました。そもそも新曲をリアルタイムで知らないのですが、紅白や音楽大賞で(初めて)聴いた他の曲と比べてという意味です。

最近のアーティストでは、‘ポピュラーミュージックグループ’という売り出しの「キンモクセイ」も関心をもってみているのですが、これらのグループをみていると「昭和歌謡」の逆襲というような気がするのです。今、実際に1980年代とかそれ以前のコテコテの歌謡曲がリバイバルしていませんか。

そして若いアーティストの間で、今っぽい曲というよりむしろ、逆に、非常にバタくさい曲が増えているような気がします。レトロブームというより、若い世代にとっては、‘古かろう’が知らないものは‘新しい’ものとして捉えている。コブクロは二人とも、ちょうど30歳ですが、彼らは同時代としてフォークやニューミュージックを捉えているというより、新たに古い唄のよさを発見して、そのエッセンスを彼等の言葉と音楽で再現している。そんな気もします。

ところで、2007年は団塊の世代が還暦を迎えるピークの年。1960年代から本格的に始まった日本のフォークやロック、ニューミュージックの旗手と言われた人たちが早くも還暦を迎える時代、確かにJ-POPはストックとして非常に豊穣なものになってきていると思います。

その中の「昭和歌謡」を勝手に定義させていただくと、かなりこっ恥かしい言葉を使って健気に元気に物語るなかに、なにかしら翳があるというか、もの暗い曲調も併せ持つ。演歌とアイドル歌謡に代表されるいわゆる‘歌謡曲’のテイストをもった曲たち。これは、平成後にブレークした1990年代のJ-POPとは、ちょっと似て異なるというか、もうちょっとダサくてバタくさくてこっ恥しい感じと申しましょうか。例えば、「一青窈」もそんな感じがしませんか。彼女のアルバムを聴くと非常にレトロな感じがする。変な話、ユーミンより遥かに年齢は若いはずなのに、曲調がもっと古くさい感じがする。

またテクノやダンスとかの雰囲気とかメカの遊びに走らずに、まっとうな唄づくりをしているともいえます。リズムや音の楽しさ、目新たしさというよりも、メッセージとしての唄の力を感じさせてくれる。なんども言っていることですが「言葉とメロディー」を押さえた王道な曲作りを、久々にこれらのアーティストからは感じました。

Disc1[CD] 01. 蒼く、優しく 02. コイン 03. 蕾 04. どんな空でも 05. 君という名の翼 06. WHITE DAYS 07. 君色 08. 水面の蝶 09. 風の中を 10. 月光 11. 風見鶏 12. Diary 13. Fragile mind

Disc 2 [DVD] Video Dlip “蒼く 優しく” Extra “2006~5296~2007”

全般に佳曲の集まりというか、めちゃくちゃ派手な曲はなく、けっこうしっとりとしたバラードが多いような気がします。何気に聞き流してしまいそうですが、歌詞がよい曲が多いですね。歌詞カードのライナーノートを読むのも楽しいものです。やっぱりアルバムはトータル芸術なのでちゃんと買わないといけないですな^^?

今回、初回限定盤のCD+DVDを購入したのですが、DVDのインタヴュー映像もなかなか見ごたえがあったです。そこにアルバム収録曲のライブの様子とか録音風景とか、本人のコメントがでてくるのも裏舞台を覗くようでおもしろかったです。

ではでは^^?

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コメント

>平成後にブレークした1990年代のJ-POPとは、ちょっと似て異なるというか、もうちょっとダサくてバタくさくてこっ恥しい感じと申しましょうか。例えば、「一青窈」もそんな感じがしませんか。彼女のアルバムを聴くと非常にレトロな感じがする。変な話、ユーミンより遥かに年齢は若いはずなのに、曲調がもっと古くさい感じがする。

一青窈さんの歌は確かに「レトロ」を感じるものも少なくないとは思います。でも、古いとか新しいとかいうより、彼女の独特の世界観だと思う。(彼女が曲を書いてるのではありませんが。)詞に相応しいメロディをつけるとそうなったということなのではないですか。別に特にレトロってこともない曲もあると思います。
で、まさに「変な話」だと思ったけど、何であえてわざわざ「ユーミン」と比較しなければいけないわけ??
中島みゆきだって、竹内まりやだって、ドリカムだって、何だっていいと思うけど。

とおみさん、初めまして。

もしかして、一青窈さんのファンの方だとして失礼な物言いになってしまっていたとしたら、まずお詫びします。

「彼女の独自の世界観」といったら、まさにそのとおりだと思います。だた、レトロとか古くさいとか、悪い意味でいっているのではなくて、逆に好ましく思っていて、懐かしいテイストの曲が最近聴かれるようになって面白いなとみているわけです。

また、なぜユーミンなのかは、彼女は常に自ら‘その時代’にあった‘新しい何か’を作り出すことに意欲的であるようにみえるという意味で持ち出しました。

でもそう断定してしまうと、一青窈さんがこれからどう化けるのかわからないし、彼女も確信してやっているかもしれないので、このような比較はやはり失礼にあたりますね。

逆にどつぼにはまってしまったようです。とおみさん、ごめんなさい。

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