ザ・ブルー・ハーツ 『ザ・ブルー・ハーツ』
今でも熱狂的なコアなファンをもつ日本の(パンク)ロック・バンド、ザ・ブルー・ハーツを紹介します^^?
『ザ・ブルー・ハーツ』
meldac MECR-3031 1987年発売
2007年11月21日 期間限定生産盤
お薦め度: ★★★☆☆
泣ける度: ★★★★☆
アルバムとしての完成度: ★★★★☆
一口コメント: 今では伝説となった感のある日本の(パンク)ロックバンドのファーストアルバム。数少ない彼らのアルバムの中でも一番完成度が高いと思われる力作ですが、もし初めてザ・ブルー・ハーツを聴く人に対しては、素直にベスト盤(後述)をお薦めします^^?
このアルバムは、大ヒット曲「リンダ リンダ」を収録していることも重要ではありますが、彼らのロックする魂が非常にストレートに表現されているということで耳障りのよさだけではなく、歌詞の持つ社会的なメッセージにもぜひ耳を傾けてもらいたい作品です。
A面: 1.未来は僕等の手の中、2.終わらない歌、3.NO NO NO、4.パンク・ロック、5.街、6.少年の詩、
B面: 1.爆弾が落っこちる時、2.世界の真ん中、3.裸の王様、4.ダンス・ナンバー、5.君のため、6.リンダ リンダ
このアルバムはしばやんが高校2年生のときの発表で放送部の後輩がカセットにダビングしてくれたことを思い出します。最近2007年に、CDでアルバムジャケット完全復刻ということで紙ジャケットで再販されたのですが、改めて歌詞を読んでみると、ザ・ブルー・ハーツが非常に前衛的な闘うロックバンドであったことを感じました。
個人的な感じ方だと思いますが、当時、既に日本は成熟の時代を向かえており、バブル直前の、まったく貧しさや社会に反発することを忘れた小市民的な小金持ちの豊かな時代を謳歌していた平和ボケの時代で、なぜ、こんなファンキーなパンクなバンドがはやったのかそれもまた謎ですが、実は、私の数年年上の先輩方(現在40歳前後)で、まじめそうな人に限ってザ・ブルー・ハーツをカラオケでシャウトしてしまったりしています^^?
私は当時、歌詞カードをみて聴いていたわけではないのですが、今、改めて歌詞カードをみると実に社会に抗議する歌が多かったことを思います。
A面の「未来は僕等の手の中」~「終わらない歌」とか、B面の「爆弾が落っこちる時」~「世界のまん中」~「裸の王様」のくだりは、かなり泣ける展開だと思います。
当時の平和ボケした日本の音楽シーンで、よくもまたこんな過激なロック魂を商業ベースで展開できたものだと十何年ぶりかに聴きなおして改めて感じました^^?
P.S.
ザ・ブルー・ハーツ(The Blue Hearts) 『ザ・ブルー・ハーツ・スーパーベスト』
meldac MECR-25060 1995年発売
お薦め度: ★★★★☆、 泣ける度: ★★★☆☆、 アルバムとしての完成度: ★★★☆☆
当然、ザ・ブルー・ハーツのヒット曲は最初のアルバムだけではなく、その後のアルバムにもみられるのですが、初心者にお薦めする一枚を選べといわれれば、間違いなく、ザ・ブルー・ハーツ 『スーパー・ベスト』 MECR-25060 meldacをお薦めします。
収録曲: ①リンダ リンダ、②人にやさしく、③シャララ、④ロクデナシ、⑤ラブレター、⑥平成のブルース、⑦キスしてほしい(トゥー・トゥー・トゥー)、⑧ハンマー、⑨チェイン・ギャング、⑩TRAIN-TRAIN、⑪ラインを越えて、⑫僕はここに立っているよ、⑬英雄にあこがれて、⑭青空、⑮終わらない歌、⑯ブルーハーツより愛をこめて、⑰1985
あえてあげれば、、②人にやさしく、⑤ラブレター、⑦キスしてほしい(トゥー・トゥー・トゥー)とかは、まあ人当たりのよいヒット曲狙いのような気もしますが、⑧ハンマーとか、⑩TRAIN-TRAIN、⑪ラインを越えて、⑫僕はここに立っているよ、⑭青空、⑮終わらない歌、⑰1985 とかって、やっぱり反戦歌というかプロテスタントソングではないのかと思ってしまいます。
「TRAIN-TRAIN」より
弱い者達が夕暮れさらに弱い者をたたく / その音が響きわたればブルースは加速して行く
見えない自由がほしくて / 見えない銃を撃ちまくる
本当の声を聞かせておくれよ
ここは天国じゃないんだ かと言って地獄でもない
いい奴ばかりじゃないけど / 悪い奴ばかりでもない ~ 中略 ~
世界中に定められたどんな記念日より
あなたが生きている今日はどんなに素晴らしいだろう
世界中に立てられているどんな記念碑なんかより
あなたが生きている今日はどんなに意味があるだろう
~ 中略 ~
嫌らしさも汚らしさも剥き出しにして走っていく
聖者になんてなれないよ だけど生きている方がいい
だから僕は歌うんだよ精一杯でかい声で」
なんか普通に汗と涙にまみれて現世に生きていくのもいいかなと、力の入った肩をちょっとたたいてくれるような応援歌が多くあるような気がします。
歌詞のパターンとして、世の中の矛盾は矛盾として受け止めるけど、理不尽な力に対しては、それでも信念は曲げないぞ的な曲が多いです。
かといって、その理不尽な力に打ち勝てるとは思っていないというか、レジスタントはするけれど、権力を転覆するところまでは考えていない。ささやかすぎる抵抗、でも踏みこたえる‘小さな力’が重なっていけば、踏みこたえられることを信じている。少なくとも悪くなりつつある社会変化のスピードの減速を試みているような意思を感じました。
このバンドの歌詞のセンスは抜群だと思います。今までこれほどストレートに日本語で社会に切り込んだグループはあったであろうか。人間の成長で言えば、思春期みたいなバンドであったと思います。もしくは中間管理職?みたいに、シニアの世界観についていけないけど、若者ほど無邪気にシニア批判もできない。遠慮がちに、でも世界は変わっている、あなたの世界(観)は時代の変化に照らしなおすと間違っていると訴えているような気もします。自信はないけど違っていると叫ぶ(シャウト)する心、この(小さな)勇気と心の張り合いはなくしちゃいけないなと思いました。
ではでは^^?
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