しばやん、ビートルズを語る。 (ビートルズ再入門-もう一度、全曲聞きたくなりました^^!)<歩く仲間より再録>
かなりの過去記事ですが、「歩く仲間HP」に埋もれていましたので、こちらでも紹介いたします。
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2006年2月15日アップ (2005年5月11日 作成)
しばやん、ビートルズを語る。
(ビートルズ再入門-もう一度、全曲聞きたくなりました^^!)
しばやんのマイブームは、ずばりThe Beatles です。
一昨年(2003年)の秋に『LET IT BE… NAKED』が、日本でも鳴り物入りで発売されたときに「うわー」と思ったのだか、実際にこのアルバムを買ったのはフィリピンに異動してからの2004年7月3日。昔から外国盤の方が音がいいという迷信がLPの時代からあって(なぜか日本プレス盤は評判が悪い)それもあって日本盤を買うのもなという気持ちだった。ちょっとマニアが入っていますが、何をいまさらビートルズという気がしないでもなかったからだ。
しかし、しばやんとビートルズとの関わりは、実は語れば長くなる。初めて洋楽を聞いたのが、ビートルズの「レットイットビー」、これが中学2年生(1984年)だから、かれこれ、もう20年も前になる。市の英語のスピーチコンテストで学校代表となって、確か市民会館で参加者みんなで歌いましょうという曲が、「レットイットビー」であった。1984年といえば、すでにジョンレノンは凶弾に倒れていたし(1980年12月8日ですか)、ビートルズという名前は知っていても、すでに過去のビックネームだと思っていた。
ところが、「レットイットビー」は、英語の歌詞のみならずメロディーも素晴らしいではないか。高校1年生の時にステレオを買ってもらったのがきっかけで、ずいぶんFMラジオ番組をカセットテープにエアチェックしたのだが、高校1年生の夏休みに、NHK FMで、確か『ポップアンドメロービートルズ』というタイトルで10日間でビートルズの全曲を一度にオンエア-したことがあって、それがきっかけで、初めてビートルズの全曲制覇をしました。このときのオンエアーは、テーマごとの選曲であったが、その2年くらい後に、再度NHK FMで、アルバム、シングルの発売順に全曲オンエア-されたこともありました。
ともあれ、高校時代にはすでにビートルズ全213曲を制覇していたわけでした。今思うと本当に懐かしいのですが、エアチェックしたカセットテープを擦り切れるというか音がへろへろになるまで聞いたものです。今となってはカセットテープも、エアチェックも死語だよな・・・。時代の移り変わりを実感します。
高校時代に、初めて自分の小遣いで買ったLPが、『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』。1987年にようやくビートルズの作品がCD化された直後に、初めて買ったCDが、『アビイ・ロード』と言えば、わたしのこだわりがわかるひとにはわかるでしょう。
さて何世代目かのビートルズファンかよくわかりませんが、話しを戻しますと、この『LET IT BE… NAKED』を聞いて、やはりうーんと唸ってしまいました。ご存知のとおり、最後に発売された『LET IT BE』は、メンバーの不協和音でまとまりきらなかった『GET BECK SESSION』をアレンジャーのフィルスペクターがプロジューサーとして彼流に味付けしたアルバムです。まるで内容がバラバラで、特にポールの曲が浮きまくっている。「レットイットビー」や「ロングアンドワインディングロード」など、ポールの名曲があるものの、ビートルズとしての統一感が欠けているなど、ビートルズが“最後”に発表されたアルバムとして、通の間では非常に評判の悪いものでした。
ご存知のとおり、最後にThe Beatles としてレコーディングされたアルバムは、『アビイ・ロード』です。ポールがビートルズ結成当初からのプロジューサー、5人目のビートルズとも言われるジョージ・マーティンに声をかけて、ビートルズの再結集をメンバーに呼びかけて実現したこの『アビイ・ロード』は、最後から2番目に発表されたアルバムですが、実は通の間では、ビートルズの最高傑作とか、ビートルズの“白鳥の歌”だと長い間、信じられて語り継がれてきました。かくいう、わたしも、そう思い込んでいました。
しかしながら、この『LET IT BE… NAKED』を聞いてみると、フィルスペクタ-盤では、いまいち落ち着きがなかった各楽曲が実に生き生きと再現されているではありませんか。改めて素材のよさというか、『GET BECK SESSION』に賭けたメンバーの想いがつたわってきました。一体、今までの『LET IT BE』というアルバムはなんであったのだろうかと思わずにはいられません。
しかしながら、逆にこうも言えましょう。『GET BECK SESSION』がうまくまとまらなかったからこそ、『アビイ・ロード』を作る必要性があったのだと。だから『アビイ・ロード』というアルバムがこの世に存在するのだと。もし、『LET IT BE』がNEKEDの形で存在していたら、『アビイ・ロード』は存在しなかったかもしれないと思うと、非常に複雑な気持ちがします。
今年4月に日本に一時帰国した際に、たまたま書店でみて、中山康樹氏の『これがビートルズだ』講談社現代新書2003年3月を買い求めたのですが、最新のビートルズ研究の成果が反映された非常にコンパクトで熱い想いを感じる好書でした。CDのアルバムを中心とした全213曲の曲目解説で、Lennon/McCartneyのどちらが主に作曲しただとか、レローディングの日付とか、非常にマニアックなスペックも載っていて、ちょっとこだわる人間はニマリとさせられるし、初心者もマニアも楽しめる楽曲紹介になっています。
この新書を買ったこともあり、フィリピンでちょくちょくアルバムをCDで集めだしていたこともあり、今、20年ぶりに改めてビートルズを聴きなおしているところです。
ところで、この新書は、『LET IT BE… NAKED』の発表前に発売されているのですよね。中山氏が、どのようにこの『LET IT BE… NAKED』を評価するのか、非常に興味津々です。聞いてみたいような聞いてみたくないような。
中山氏の主張とだぶりますが、ビートルズはアルバムで聴かないと全く面白くありません。あくまでA面B面があったレコードの世界の作品ですが、それぞれトータルアルバムとして選曲、曲順まで非常に練り上げられた完成度の高い作品ばかりです。まさに、曲順からして必然性があるというか、確かに個々にはクオリティの低いものも混じっていますが、アルバムとしての完成度の高さについては認めざるをえません。
さて、その中であえて1枚のアルバムといわれると本当に難しい。初期のアルバムの疾走感もすごいが、中盤におけるメンバーそれぞれの試行錯誤も面白い、円熟期の成熟さもまたよいということで、以下は、暫定的なお薦めです。
まず、とっつきやすいのは、①『A HARD DAY’S NIGHT』か、②『HELP!』の若さというか疾走感を味わうというのが手でしょう。
次は、やはり③『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』とか、④『ホワイト・アルバム』とか中期のアルバムでしょうか。⑤『マジカル・ミステリー・ツアー』もCDの構成を理解した上で聞けばおもしろいでしょう。ある程度、ビートルズの初期中期のアルバムを聞いた上で、⑥『アビイ・ロード』と⑦『レット・イット・ビー』に進むのでしょう。ある程度、ビートルズの歩みを知らないと、この後期のアルバムのよさはわからないと思います。
中山氏は文中で、ベストを集めた企画盤としての『赤盤(The Beatles/1962-1966)』、『青盤(The Beatles/1967-1970)』や『ビートルズ1(The Beatles 27#1 singles=1)をいきなり聞くことはよくないと語っています。しかしながら、最近では、ビートルズの全曲を日本で一度に聞くことはほとんどないので、これらのベスト盤を手がかりに、気に入った曲の入ったアルバムを聞いてみるというのもひとつのアプローチの仕方かもしれません。しかし、『アンソロジー』とか、『LET IT BE… NAKED』をいきなりはじめに聞くのはやめておいたほうがいいと思います。いずれもオリジナルの曲を知らないと楽しめないからです。
本当に、ビートルズはどれもが‘アルバム’として聴くことができる不思議なバンドです。
以 上
補筆:
歩く仲間のエッセイに加えるのに違和感を覚えたからであろうか、昨年(2005年)に文章を完成させつつも、アップロードを控えていた。しかしながら、このビートルズの音楽にはメロディーはもとより、その詞(リリック)において非常な影響を受けている。上記にも述べたLPにおけるトータルアルバムというコンセプト、『エリナーリグビー』という曲(『リボルバー』(1966)に収録)は、人気グループが初めて社会問題を歌った曲として有名だし、いろいろな意味で、今のミュージックシーンにおいて、深く通奏低音として、洋楽のみならず日本のポップスなど、いろいろなところで日に陰に影響を与えつづけている。
なお、昨年(2005年)12月8日は、ビートルズのメンバーのジョンレノンが暗殺されて25周年という節目の年でもあった。NHKなど、主要なメディアも、ニュースとして取り上げざるを得なかった。その影響力の大きさがしのばれよう。
まあ趣味の世界ではありますが、しばやんの精神世界のバックボーンのひとつとしてこのような記事が載ることもよしとしましょう。
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コメント
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私はビートルズ世代ではありませんが、青春時代のBGMにビートルズが流れていました。昔の彼女が特にビートルズが好きで、一緒にポール・マッカートニーのライブに行ったりも。彼女との思い出の背景にはいつもビートルズがあった、みたいな。そういえばこつらのブログのトップ記事で書いたハーノイもビートルズのカバーアルバムを多く出しています。肝心のビートルズのCDはコンプリートしていなかったりしますけれども(^^;
投稿: pastel_piano | 2009年2月15日 (日) 18:17