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2013年4月26日 (金)

歩く仲間通信 第2回 開発民俗学講義は4月28日(日)です^^?

初出: 2013年4月25日配信 メルマガ
みなさん、こんにちは。
世界の風来坊しばやんこと柴田英知です。
先週に引き続き第2回目の開発民俗学講義のご案内です。
さて、4月21日にたぶん本邦初の開発民俗学の講義をさせていただきました。参加者は、私のほかに2名、地元岡崎の方ともう一方は名古屋からはるばる遠路駆けつけていただきました。
内容は、開発コンサルタントを中心としたいわゆる‘援助業界’の話をしようと思ったのですが、大学時代に学んだイスラームの話やら卒論で取り上げた中世の地中海世界のシチリアの話など、全然、レジュメを無視したライブ感あふれる(たんなる脱線野郎ともいう)報告となりました。
しばやんいわく宗教がわからないと世界はわからないとか、現代世界を席巻しているいわゆるプロジェクト(主義)やマネジメント、フレームワーク(思考)をメッタ切りといいましょうか援助業界にも蔓延しつつあるプロジェクトマネジメント(至上)主義に対して、日本のODAのスキームを説明しつつも、私が開発民俗学で考えていることは、今の資本主義世界のパラダイム自体を見直し別の行動原理で再構築しなおすことですよということを駆け足で説明しました。
とりあえず現状がどのようなものであるかの概略は説明できたのではないかと思っています。
これからの講義では、そんな(ODAの)システムの中で、私という一個人が何をみて何を感じたのか、それをどうしていきたいのかについて現地報告をしつつ、小出しに?、参加者のみなさんに問題提起をしていきたいと思っています。
さて、ハイライトとしては、脱線の第2弾目ですが、ついつい前職の三祐コンサルタンツと極めてゆかりの深いというかそもその設立母体となった第二次世界大戦後の世界銀行の借款事業としての愛知用水の話に力が入ってしまいました^^?
そう、今はなき愛知は知多半島の篤農家久野庄太郎さんとまだご存命の安城農高の浜島辰雄先生のことを。
すでに知っている人はご存知だと思いますが、愛知用水事業は川がなく旱魃になると水不足で全く農業ができなくなる知多半島に恒常的な農業用水を引こうという夢を持ったお百姓さんが浜島先生という農業土木の技術者を片腕に周りを巻き込み、ついには時の首相の吉田茂に直訴にいって国を動かした戦後復興の特に愛知県の復興と繁栄の礎となった国家の一大プロジェクトのひとつです。

三祐の新入社員は、入社式の後、名古屋市内にある本社からバスで木曽川の上流、犬山にある頭首工(用水の取水口)から東郷調整池から知多半島のもうひとつの調整池まで以前は浜島先生の案内で愛知用水を見学したものです。最後に、久野庄太郎さん宅を訪ねて記念写真を撮るということをやっていました。私が入社式に参加した1993年当時はまだ久野庄太郎さんはご存命でした。
三祐コンサルタンツとその先輩コンサルタントたちのことは語りだすときりがないのですが、この久野庄太郎さんのことで非常に興味深いエピソードかあります。愛知用水を作った農林省の俊英たちが愛知用水公団という世銀のコンサルタントのカウンターパートとして一緒に設計と事業の実施を行ったのですが、この技術者たちを引き取ってつくられてのが三祐コンサルタンツなのですが、この会社は農林省のコンサルタントとしての顔と同時に創業のはじめから海外への技術協力を行っていました。

つまり、先進国、具体的にはアメリカのコンサルティングエンジニアの協力で愛知用水が実現化したのですが、その恩を世界の他の国に返したいということで、創業ほどなくイランの農業開発に乗り出すのです。

三祐コンサルタンツの歴史は日本の農業開発の歴史と同時に日本の開発途上国への農業開発援助の歴史に他ならない。イランはその後、王政の転覆で一旦撤退しますが、エジプト、タイ、フィリピンなどの日本の開発援助の尖兵であり最前線で業務を行ってきたのは三祐のエンジニアたちです。
その三祐のフィリピンでの仕事を、久野庄太郎さんが会社のスタッフと視察したときのこと。当然のことながら日本のどん百姓である庄太郎さんは英語なんて出来ないのですが、ルソン島の首都マニラの北部、中部ルソンのパンパンガの平野の田んぼの真ん中で農民を相手に辻説法をおこなったという伝説があります。

当時すでに大消費地のマニラを後背地に控えるこの平野は大農業地帯であったわけですが、連れのスタッフを通訳に農民に語りかけた。もしかしたらのその言葉を覚えている当時者の方が存命かもしれませんが、この光景は容易に想像がつきます。
そうです。たぶん、愛知用水での経験を元に農民の自助努力と地域の開発を鼓舞したにちがいないと。
クロスロード・オブ・ハッピネスという講座名には、そのような庄太郎さんの辻説法の姿も重ねあわせています。
‘開発’や‘民俗学’という言葉をネタに、いろいろな‘しあわせ’のあり方を考えるセッション。ぜひお気軽に参加ください。
なお、この講座にちなんだフェイスブックグループを作りました。フェイスブックをやっていらっしゃる方で、私と友達である方は誰でも参加できますし、参加しないまでも公開グループなので内容を見ることができます。
ぜひ、ご訪問ください。
さて、国際開発コンサルタントとして16年間、主に政府開発援助(ODA)の世界で働いてきた経験を元に、岡崎市で下記のセミナーを実施します。ぜひ遊びにきてください。
チラシはこちらのブログ記事をご参照ください。
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国際協力・異文化理解・わくわくワークショップ 2013
情念は時空を超えて!地域研究(中世アラブ・イスラーム旅行記)研究者が地域開発に出会ったら!
むかしむかしのこと、獣や人が歩くことによって轍ができ、その轍が多くの仲間によって踏み固められることにより道となり、やがて道と道とがまじわるところ(辻)ができました。そんなところに人々はそれぞれの‘地域’の‘モノ’と‘情報’を持ち寄り、お互いが持っていないものを補い合い、様々な‘しあわせ’について情報交換をしました。争いもあればロマンスが生まれたかもしれません。
天下の、もとい世界の風来坊を目指す?しばやんこと柴田英知が、国際開発コンサルタントとして歩いてきた‘途’を紹介します。
AコースとBコースで合計6回となります。それぞれ独立して楽しめますので、お気軽に参加ください。参加費は、300円(資料代など)となります。直接、会場にお越しください。各回、午前10時から12時まで、有志のかたによるランチミーティングも予定しています。ぜひ、会場でお会いしましょう!
<Aコース>
歩きながら考える‘世界’と‘開発’・・・開発民俗学の視点から世界をみると!
 
<Bコース>
しばやんの世界のまちかどから・・・開発コンサルタントが歩いた世界の今!
 
<時間> 午前10時から12時まで。セミナー終了後に有志によるランチ懇親会も予定しています。 各回300円(会場費、お茶菓子、資料代を含む)
<ゼミナール概要>
第2回 4月28日(日)りぶら 開発コンサルタント・しばやんの世界あっちこっちめぐり
(エジプト、イラン、ブルキナファソなど)
エジプト、イランの歴史ある中近東諸国と、たぶん、みなさん名前も聞いたこともないであろう西アフリカの日本人が6名しかいなかった(当時)ブルキナファソ国の歴史・風土・文化、そしてその場でどのような日本の援助が行われていたのかについてしばやんが写真を元に語ります。
ちなみにしばやんは大学でアラビア語とイスラーム(教)を学んだこの地域については専門家です。単なる旅行の報告ではない、かなりディープなイスラーム世界の表と裏について語りつくします。
(←たぶん、まともに語りだすと話が終わらないので駆け足に終わる可能性もあり^^?)
ちなみに地域研究者としてのしばやんの横顔はこちらからごらんいただけます。
<その次の回の予告>
第3回 5月26日(日) りぶら 紛争地域と開発援助・・・エリトリアと東ティモール
たぶん20世紀最後の独立国アフリカの角のエチオピアの北部にあるエリトリア、たぶん21世紀最初の独立国インドネシアの東端 東ティモールでの国家建設のプロジェクトについて語ります。

対象者:

開発援助や国際協力、海外でのボランティアに関心をもつ高校生、実際に職業として開発のプロを目指している大学生、大学院生、NGOs実務家、地域開発やまちづくりに関心をもつ自治体やNPOsのスタッフなど。
形式:

参加者の数によりますがセミナー形式もしくはワークショップ形式でおこないます。

関連テキスト:
主宰:
国際開発フィールドワーカー(社会・自然環境配慮)/地域活き生きコーディネーター
 
天下の、もとい世界の風来坊を(ひそかに)もくろむ
しばやん こと 柴田 英知
 
 
趣味のブログ Life, I love you!  実はこちらを書くほうが楽しい^^?
ではでは^^?  
柴田 英知
〒444-0802 愛知県岡崎市美合町三ノ久保33-5
携帯電話: 080-5151-6406
E-mail: bxf00517@nifty.com

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