【国際協力キャリアQ&A】大学生でやっておくべきことは? 進学希望の高校生に答える。
好評をいただいている「13歳からの国際貢献」セミナーの質疑応答で問われた質問です。
進学希望先の大学名をおっしゃったうえで、国際貢献の途をめざる過程としての大学生活を充実したものにするにはどうしたらよいですか、というニュアンスの質問だと、わたしは受け取ったのですが、ちょっとしどろもどろしてしまったので、あらためて回答らしきものをまとめなおしました。
ポイントを、無理やりに3つに絞ります。その理由と解説は、あとであらためて説明します。
<しばやんの回答>
1.大学生の4年間は何をやってもいい。だからこそ、しっかり「自分自身と向かい合って」ほしい。
2.「仲間づくり」のスタート地点としてほしい。
3.勇気をもって「フラグを立てて」ほしい。
<解説>
1.大学生の4年間は何をやってもいい。だからこそ、しっかり「自分自身と向かい合って」ほしい。
早い人では中学校、多くの人たちは高校入試という選抜試験をくぐりぬけて、そのうちの多くの方が、大学受験という高等教育課程に進学します。社会に出る前に、自分の個性や才能とは別の「学力」という尺度で、一律に競わされてきた最後の関門が、ほとんどの人の場合、大学となるわけです。むろん、中学や高校卒業で働いている仲間がいることや、大学院などさらに高度の研究過程にすすむ人がいることも踏まえたうえでのことですが、ふつうの一般家庭にとっては、お子さんが大学に入学するということはひとつの大きなゴールというか区切りであることは、間違いないでしょう。
しかし、当の新大学生にとっては、入学式は、まわりの期待や合格するかどうか(これは自分の学力だけではなく、体調や試験日の環境、むろん全国のライバルである他の受験生の能力にもよりますし、運なども影響します)のぎりぎりとした受験勉強の期間をやっと乗り越えたうれしい日であると同時に、第一希望にいけなかったくやしさや、燃え尽きた感を感じるときかもしれません。
ただ言えるのは、高校も義務教育ではありませんが、大学はもっと明確に新入生が「自分で選んだ」学校であり、学部であり専攻であることはあきらかなことです。
つまり、親やまわりは当然、新入生にいろいろな意味での期待と希望をかけています。それはそれとして、新入生は、自分で選び取った学校で、実質、何をやってもいいのです。親やまわりが泣こうが悲しもうが。
わたしにとっての大学は、そもそも第二志望でしたし、受験勉強が終わっていざなんでもやってみようと張り切ってみても、クラスやクラブでは浮いてしまったり、なじめなかったり最初は必ずしも心地よいものではありませんでした。
当然のことですが、いろいろな失敗や痛みを感じる中で、否応なくこの小さな「自分が選んだ学校(世界)」の中における自分の立ち位置というものを考えざるを得なくなります。つまり、「自分と向き合わざるを得ない」わけです。
ただ、わたしは親元を離れての下宿生ということも、そのことに拍車をかけたのかもしれません。なぜなら自分以外、すべて他人だらけのまちで学校で生活をはじめていくわけですから。
自分と向き合うことは、人によっては小学生や中学生の頃とか、幼少のことからやっている人もいるかもしれません。ただ、大学生ともなるとまわりの人の目が違ってくる。同じことを言ったり、やったりしていても、高校生までと大学生では、明らかに人の見る眼が違いますので、少なくとも「自分自身に対して自分の言動を説明できるのか、なにか、ごまかしたり自分を偽っていないのか」ということは、少し頭の片隅に置いておいたほうがいいと思います。
この節をまとめると、大学生時代にあなたがやることは全て正しい、ただ、どこまで自分ごと(自分自身を向き合ったうえでの言動)なのかについては気をつけてほしい。逆にいえば、人から無理にやらされることはない。いくら世間が正しいとかやるべきだとがなり立てても、大学生(を大人の始まりとするなら)やらなくてもいいということです。
一言でいうと、「やりたいことをやれ」誰も何もいわない(いえない)から。ということです。
2.「仲間づくり」のスタート地点としてほしい。
正直にいいます。わたしは友達が少ないです。そういえば、ライトノベルで「僕は友達が少ない」ってありましたよね。全然、リアルタイムでもないし、そもそもラノベもアニメも趣味ではないのですが、うつ病でひきこもっていた時に、ユーチューブでアニメを見まくっていた時期がありました。もう40過ぎのおっさんが、柄にもなく「はがない」とか「中二病」とか「とある」とか「涼宮」とか「ノゲノラ」とかに、ちょこっとだけはまってしまいました。おそらくクリエーターが同世代なんですよね。そういえば、アニメに関心をもったのは、神田沙也加が「ソードアートオンライン―オーディナルスケール」の劇場版を13回もみにいって、もとのアニメシリーズをみようと思ったのがきっかけかもしれません。
閑話休題
話を戻すと、小学校と中学校の友達でいまでも付き合いがあるのは、高校まで一緒だった男の幼馴染がひとり、高校のともだちでずっと交流があるのは先の幼馴染と高校の1年生で同級生だった男の子というように、結局、小中高のともだちは同性でふたりだけです。
わたしの場合、人並みに友達や仲間ができはじめるのは、実は大学生になってからでした。最初に述べたことに関係しますが、大学は、おそらく子供が初めて「自分で選んだ」生きる場所です。当然のことながら、自分と似たような趣味や考え方の人が、高校進学時よりもはるかに多く集まっています。これは、小中学校の学区や、通学圏と偏差値の高校とは、まったく違った自由さです。
別のところにも書いていますが、高校や大学などより広い社会集団に入れば入るほど、自分より遥かにすぐれた同級生や先輩、後輩に遭遇する確率が高くなってきます。でも、だからこそ、それらの人たちの中における自分の立ち位置を考えざるを得ないのです。
ライバルは最大の友達ともいいます。むろん競うことも大切ですが、自分も相手も悲しいかな全ての面でオールマイティということは、ほぼ100%ありえません。つまり、自分がその能力を認めるライバルが仲間になってくれたら、それ以上に心強いことはありません。
この節をまとめると、基本的に、世の中は類友、つまり類は友を呼ぶで、嫌でも似たような人たちが集まってきてしまいます。つまり、友達や仲間はあなた自身の鏡でもあるんですよね。ただ、気をつけることは、人に期待をしすぎてはいけません。いくらあなたに親しい友達でも仲間でも「あなた本人」ではないのですから。
3.勇気をもって「フラグを立てて」ほしい
この節は、さらりと流しましょう。つまり、大学では、自分とは何か、あくまで小さな世界ですが、「自分が選んだ社会」の中における自分他の立ち位置を知る(否が応でも思い知らされる)というステージがあり、新しい「自分が選んだ社会」の中で、友達や仲間に出会う。これが、1と2で述べてきたことです。
この1の自己分析と2の仲間づくりを加速させるのが、3番目にあげた「フラグを立てる」ということです。わたしは、現役で進学しましたから18歳で大学一年生、そして確か19歳のときに、「大阪便り」という一人雑誌(チラシ)を発行しだしました。これは、親にワープロを進学にあたって買ってもらったお礼を兼ねて、家への手紙の代わりにつくったものです。
その中では、かなりはっきりと自分が今やっていること、やりたいこと、考えていることを文字にして知人やお世話になった人に配っていました。いま思うと、自分の考えなりを「言語化する」ということと「人に読まれる文章を書く」ということの練習になったと思います。実は、2000年からホームページを始めたとしていますが、その源流は、この「大阪だより」にある、ということです。
つまり1989年くらいから「人に見てもらう文章」を書くことをしていたということで、もう30年くらい「情報発信」をしているということですね。
ともあれ、この一人雑誌やホームページ、ブログで「他人のため」に発信するということは、ブーメラン効果といいますが、自分が後で読み返してみて役にたったといえることがいくつかありました。
その一つが、将来やりたいと昔に書いたことが、ほとんど実現しているということ。昔の記事を読み返すことは、実はほどんどないのですが、たまに自分で見返してびっくりすることがあります。その反応のひとつが、「結構いいこと書いているじゃん」と、「あれ、いま思いついたことを、もう何年も前に自分で書いていた」という「自分が忘れていたこと」に対する驚きと、またひとつが、さきに述べた「あれ、この予言というか、大言壮語していたことが、時差はあっても、できてしまっているじゃん」ということです。
ともあれ、考えは文字に起こした時点で、自分の内側のものから、外部のものへと変換します。これは、他人もみれると同時に、自分も、客観的にみることができます。
やっぱり思っているだけではだめで、ぜひ、紙に書いて仲間に自分の想いや考えを「フラグ」として立ててみてください。これは、将来の自分への「フラグ」ともなりえます。
以上、わたしが考える大学生でやるべきことは、この3点です。
1.大学生の4年間は何をやってもいい。だからこそ、しっかり「自分自身と向かい合って」ほしい。
2.「仲間づくり」のスタート地点としてほしい。
3.勇気をもって「フラグを立てて」ほしい。
ではでは^^?
なんでも質問を受け付けます。コメントをよろしくお願いいたします。
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